「買い手不在」だけど好機が近づいてきた?
リーマンショックに揺れた昨日の株式市場…。
そんな印象的な日に発売された『日経会社情報』秋号。
編集長から見どころコメントをいただいています。
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『日経会社情報』編集長の山本です。
9月16日発売の『日経会社情報』の2008年秋号。8月下旬から9月初旬にかけて連日深夜まで編集作業に取り組んでました。そこで何度も感じたのは、投資指標で見て、非常に割安な銘柄が多いということでした。
今号の投資指標の計算の基準は8月末の株価終値。東証1部上場銘柄の中で配当利回り年3%以上は約19%。PER(株価収益率)10倍未満は約21%、PBR(株価純資産倍率)1倍未満は52%、となりました。巻末には国内上場企業の約3900社を対象にした配当利回りランキングを掲載しているのですが、2%以上の銘柄が2097と半数を超えています。増益で財務内容も良いのに高利回りの銘柄がいくつもあるのです。
編集作業に励みながら、「買い手不在」を強く感じました。データで見て割安感があっても、買い手がいなければ値段は低迷したままなのです。相場環境や景気の先行きに不透明さが強まる中で、大切な資金を株式に回そうという意欲が薄れるのでしょう。なお、8月末の日経平均株価の終値は1万3072円でした。
そして、発売日の9月16日はリーマンショックの直撃を受け、日経平均株価の終値は1万1609円となりました。8月末より11%も低い水準です。この日を基準に投資指標を再計算したら、もっと割安感が強まるはずです。
もちろん投資指標だけで判断するのは危険です。企業業績がこれからどんどん悪くなれば、割安感は薄れます。でも、好機が近づいてきた可能性もあります。株式売買を控え、様子見を決め込む場合でも、株価や企業業績を常にウオッチしておくことが投資で成功するための大切なポイントだと思います。